チラシや看板で市外局番を省略していませんか?

前回のコラム「会社情報で都道府県を省略していませんか?」に続いて、電話番号について考えてみます。

みなさんのビジネスを宣伝するチラシや看板に記載されている電話番号、市外局番を省略していませんか?「地元の人なら市外局番が分かっていて当然」という考えから省略するケースも見かけますが、この省略がビジネスチャンスを逃す原因になります。

問い合わせる意欲を失わせる

市外局番を省略して電話番号を記載すると、特に携帯電話からの問い合わせに支障が出ることがあります。携帯電話では市外局番なしで発信できないため、お客様が問い合わせすることを諦めてしまうのです。この小さなハードルが、実際には大きなビジネスチャンスを逃す原因となってしまいます。

また、市外局番が省略されていると、「地元以外の人の問い合わせは歓迎していない」というメッセージとして受け取ってしまうかもしれません。問い合わせをしようと思ったお客様が番号の不備に気づいた瞬間に、他の選択肢(競合他社)を探し始めてしまうことも考えられます。

会社としての信頼を損なう

市外局番を省略することで、「この店(会社)は自分たちのことを考えていない」という印象を与えることも考えられます。電話番号はお客様にとって、会社や店舗と直接つながる最初の窓口です。そこに不備があると、「そんな小さな配慮もできないなんて、この会社は信用できないのでは?」という疑念を抱かせてしまうのです。

このような印象が重なると、お客様にとっては「あなたは私のお客ではありません」と言われているように感じられることさえあります。たった一つの記載ミスが信頼の損失につながるという事実を、改めて意識する必要があります。

検索エンジンや地図で見つけにくくなる

電話番号はオンラインでのビジネス情報にも重要な役割を果たします。市外局番がないと、検索エンジンや地図アプリで正確に認識されないことがあり、結果として潜在顧客があなたの店舗や会社を見つけにくくなる可能性があります。これは、特にオンライン集客を重視するビジネスにおいて大きな損失となります。

正しい電話番号が記載されていないだけで、遠方の顧客や新規顧客があなたを見つけられず、別の競合他社へ流れてしまうリスクが高まるのです。

市外局番を記載することは、顧客に対する最初の配慮と言えます。正確な電話番号が記載されていることで、顧客はストレスを感じることなくスムーズに連絡が取れるようになり、問い合わせや予約の成功率が高まります。また、記載の丁寧さが「顧客の利便性を大切にしている」というメッセージとして伝わり、信頼感を築くきっかけになります。

さらに、市外局番を明記することで、オンライン検索や地図サービスにも正確な情報を提供でき、より多くの新規顧客に見つけてもらえる可能性が広がります。この小さな工夫がビジネス全体に与える影響は、想像以上に大きいのです。

市外局番を含めた正確な電話番号を記載することは、ビジネスの基本であり、顧客との信頼関係を築く第一歩です。今一度、チラシ、看板、名刺など、ご自身のビジネスツールをチェックしてみてはいかがでしょうか?